スクラッチとは
スクラッチとは、直訳すれば、「削る」と言う意味になります。
これがあながち間違いでは無いのです。”レコードを削る事”。一般的にDJがやるパフォーマンスで一番印象的なパフォーマンスで、また、これがDJに興味を持ったきっかけとして、DJの道に入る人は少なくないと思います。
特にヒップホップやR&BではDJがクラブで効果的にスクラッチを入れている印象がありますね。
実はあれ、一見簡単そうに見えますけど実はとても難しい技術です。
オシャレでクールで、そして楽器をやるよりも一見簡単そうに見えてしまいがちなDJ。
しかし、DJの基本技術であるMIXやスクラッチは、根本的に音楽を好きで、それなりに練習を積まなければならないと言う事を先に申し立てておきます。
例えば使うレコードによっても音は全然違うし、そして、速さやタイミングによっても、やらなきゃいけない動作は変わってきます。
スクラッチは回転しているレコードを反対側に動かす行為です。なので針に結構負担が掛かるんです。
レコードプレイヤーを掛けた事のある方ならわかるかも知れませんが。なのでいきなり知らない人がスクラッチをしたところで、針が飛んでしまったり痛んでしまったりする事もあります。
そのような事態を引き起こさない為に、上手く針の飛ばないセッティングを見つけたり、ミキサーもスクラッチに向いてる用を使う等、準備の段階で色々苦労する事が多いんです。
ですので基本的に今日DJを習ったから明日から完璧にやると言うのは絶対に無理です。
セッティングと、テクニックの面は、肌で感じ、失敗し、練習し、色々なDJを研究し、先輩に聞き…等とりあえず慣れようと努力する事が大事です。
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DJスクラッチの基本、機材について
スクラッチをしたければそれなりの機材がやはり必要になり、一番の決め手はやはり「カートリッジ」と呼ばれるレコード針です。
DJ用のこれは一般的なレコード針よりも太目に設計されており、根元から頑丈なのです。
その分、一般的なレコードのに比べれば繊細さには欠けますが、スクラッチを前提で考えるとやはり耐震性の強いカートリッジが求められます。
因みに自宅にもし古びた不要なレコードプレイヤーがあれば試してみて欲しいのですが、その上にレコードを乗せて、再生した後逆回転を試みてみて下さい。
あなたが憧れたクラブの音は聴こえたでしょうか。グワーグワーと、醜い音を立てませんでしたか?
因みに早く動かし過ぎてしまった方は、針が飛んで行ってしまいませんでしたか?
機材は、やはりどうでもいいものでは無いと言う事がおわかり頂けると思います。
更にミキサーですが、スクラッチのようなテクニカル系を多用するDJは、横幅の狭いタイプのミキサーがお勧めです。
大型のミキサーは、ターンテーブルも使用するとなると距離的にやり辛いからです。
まず、擦る事で音程が変えられると言う事を知っておきたいです。
同じネタ(レコード)を擦ったところで、その動かす速さで様々なバリエーションを作る事が可能なのです。
ゆっくりレコードを動かす事で、低い音程が、早く動かせば高い音程が出ます。
昔カセットテープやビデオテープをご家庭で使ってたなら、早送りをする際キューキューと高い音で聴こえた経験があると思いますが、原理はあれと一緒です。
因みにどのようなネタを使えばいいかと言うのはあえて此処では固有名詞は挙げない事にします。
ヒップホップやテクノでスクラッチをするのが一般的ですが、今はDJはロックやクラシックなどとも融合される大衆音楽スタイル。
自分で、「こんなスクラッチをやりたい」と言う明確な意思があった方がいいと思います。
もちろんビギナーのうちや練習のうちは、完全に有名DJのコピーやマネでもいいと思います。
スクラッチの練習方法、やり方
心掛けの部分としたら、「いきなりうまくなろうとしない」と思う事です。プロが鳴らしている絶妙なスクラッチ音は1日にしてならず。ひたすら練習が必要なのです。
練習のレコードはどのようなものがいいかと問われれば、具体的にはありませんが、ドラムのビートが強く感じられるものが適してるでしょう。
因みに初めはフェーダーを操作せず、レコードの操作のみで操作してください。利き手側にあるターンテーブルがいいでしょう。
利き手が慣れてきたら、今度は利き手側と反対のターンテーブルの練習をします。
バスドラの音を正確に鳴らせるかどうかがポイントで、ビギナーだとこの繰り返しの位置が段々ずれて来る事が多いんです。ですので最初はマスキングテープ等を貼り、視覚的にわかるようにしておくのも手です。
バスドラが”ドッ”と鳴る寸前で待機をします。そこで”ドッ”が鳴ったら直前の場所に戻すのがポイントです。
最初のうちはこれが戻し過ぎになったり進み過ぎになったりすると思います。
しかしながら、まずこれが基礎のようなもの、これが出来なければ、憧れのスクラッチ習得は進まないと言う事を、肝に銘じておきましょう。
因みに、操作は、「ゆっくり」と「確実に」を意識して下さい。
いきなりスピードを上げたりするのは、やめた方がいいです。やってるうちに慣れて来たら、色々なスピードに挑戦してみましょう。
以上、スクラッチの基本、機材、そして練習法をまとめてみました。「音楽=楽しむ事」スクラッチの練習をする時も、是非固くならず楽しんで下さい。
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